2023年


2月 大分

   
山口県の宇部市の個体群のみがヤマグチサンショウウオだという論文を読んで、北九州や他地点と宇部市のヤマグチとどう違うのか?色々見比べてみたいなぁと思って見てきた。

ついでにオオイタやニホウの状況も見てみたいね。という事で大分県から観察をスタート!

既知の場所を見てみるももう産卵は終わってる。
まぁオオイタは産卵早いから想定内。ただ渇水が酷いな。
これだと幼生は変態できないかもね。

   
 生息地周辺の伐採も酷い。まぁオオイタは強健種だから何とかなるだろう。
こんな水溜まりでも産むかもよ。なーんて話をしてたら本当に産んでるのがいた。
 
 トラックが頻繁に通過するので轢かれて死んでる個体もいる。
卵はちゃんと受精していたので、こんな水溜まりでも雌雄がタイミングよく揃って
繁殖行動をとっている。この強健さがオオイタの良いところで、万一絶滅しそうでも、人の管理下でビオトープを作るだけでも割と殖えると思われる。同じ止水性種でもハクバやアキなどは習性が違うので水溜まりを作る程度では難しい。

 
 ニホウサンショウウオも少し探してみる。
触ることができないので水辺に卵がないか見て回るが全く見当たらない。
石をめくったら運良く1匹だけ見つけることができた。
非常に絶滅が危惧される種で県指定の保護種。この種は生息地一帯を立ち入り禁止にして林と水場の管理など相当な保護を行政が強化しないと近くたぶん絶滅する。
個人での探索もやめようと思う。

2月 福岡

 
 ナガト?雌個体 いわゆるカスミとはだいぶ雰囲気違う。
 
 卵嚢近くで待機するナガト雄
 大分から福岡、山口県宇部市へ止水性サンショウウオを見て回る。
福岡ではナガトと言われるカスミとの交雑種だと思われる個体を確認するが、宇部市のヤマグチサンショウウオが全然見つからない!終いには2月も初旬だというのに里山で猛烈な獣臭!でかい産みたてウンコ!熊じゃん!この時期でもう熊かよ...。気力も尽きて農家の方に聞きこみしていると、「うちの牧場の裏にいるよ」とのこと。ご厚意で探させて頂くもいない。昨年捕まえたというスタッフとお話させて頂くと4月に捕獲したとのこと。この辺だとそんなに産卵期が遅いんだろうか...?またお邪魔させて頂く約束をして帰路につく。止水性の新規探索は本当にキツイ。

2月 千葉

 次男が水昆ガサりに行きたいというので、ちょっとトウキョウサンショウウオも念頭に入れた千葉へ行く。うーん北部はトウキョウ見つけるの難しいなぁ。

 
 左)イノシシ用の罠にカモが入れてある。
そんなんでイノシシ獲れるんだろうか?猛禽とか狐などが入ってしまいそうだ。
猛烈にアライグマがいたからせめてそっちが入るようにキャラメルコーンでも入れといて欲しいわ。

右)ネアカコシボソヤンマ?次男は狂気してたが俺には分からん。

2月 愛知

 
 岐阜の高木先生にオワリサンショウウオと呼ばれる尾張、知多半島に分布するヤマトサンショウウオの近縁種を案内して頂いた。

まずは都市部に残存する個体群を観察させて頂いたが、こりゃ凄いね!
グーグルマップで見ると一帯が住宅街で緑地すらないよ?
他地域との交配も全くないだろう。相当な近親交配が進んでいると思われる。
これはヤバイ!
近親交配に強いサンショウウオだから生き残れたんだろうなぁ。
渇水時には水を足したりして下さってる方もいるようだが、末永く生き残って欲しいと強く思う。


 
 都市部での産卵の様子

 
 オワリサンショウウオの卵嚢
ヤマトと比較するとコイルが弱い印象があり、全体的に丸く見える。

 
 オワリサンショウウオ雄
ヤマトに比べ、尾の黄斑紋が弱いのも特徴とされる。

 
 知多半島での繁殖地では成体は見つからず、卵嚢も1対のみだった。
渓流に近い湿地だが、年々下流域からは姿を消しているらしい。どこも状況は悪化が進んでいる。

最後にヒダの記録がある場所でヒダとマホロバを探しませんか?
という事で行った場所で同行していたアクアトトのTGM氏がマホロバ幼体を1匹見つける。。
この時期にマホロバ見つかるだろうか?と思っていたがやはり全然見つからない。
4人で探してこの1匹だけだったが0か1では全く違うので嬉しい。
この時期見つけづらいというのも一つの経験ではある。


3月 茨城

 
 関東を代表するサンショウウオキチガイ3人
私とT森くん、ピッコロ氏で2022年に分化されたイワキサンショウウオを観察に行く。
合流から解散まで終始サンショウウオの話しかしていない。

とりあえず私の既知の場所に行ってみたが、なんと卵が全くない。
水量も特に変わりなく、1対もない理由が全く分からなかったが近くでも発見し、ある程度の成体も見ることができた。産卵場所の傾向などはトウキョウサンショウウオとほぼ変わらず、若干トウホクサンショウウオ寄りの体色かなと思う。

 
 一番平均的な体色
 
 明るめの個体
 
 ザリガニ痕?を尾に刻む大型の歴戦個体

 
 
 卵嚢の様子

3月 山口

 
 2月に宇部市で教えて頂いた方の施設へ再度訪問する。

結果的に少数の個体は確認できたが、3月も半ばというに産卵は始まっておらず、雌はまだ抱卵していてすぐに産む感じでもない。ここはスタッフの言う通り4月ごろ産卵なのだろう。かなり遅いと思う。水路に産卵するようだが、採ったり釣ったりした魚を意図的に水を深くして放流してるそうで、カジカのデカいのも数匹見かけた。ヤマグチサンショウウオが集まっていた場所は裏手のほとんど水がない場所のみだった。結果を伝えると「魚は放流しない方がいいんですね...知らずに申し訳ない事しちゃった...」とサンショウウオ優先の返事を頂いた。特にサンショウウオ優先で考える必要もないのに生息している事に凄く喜んで頂けて尚且つ改善も検討するとの事。こんな嬉しい事言ってもらえる事ってそうないよ。

 
 
 ヤマグチサンショウウオ雄個体

カスミサンショウウオと近縁とはいえ外見では全く区別がつかない。

飼育している個体で考えても
美祢市のヤマグチ個体と長崎県のカスミ個体を比較しても性格までそっくりで2種の違いは私には全然分からない。

 
 ヤマグチが集まっていた環境

3月 広島

   
左)ヒロシマ卵嚢、右)アキ卵嚢

 山口県から続けてヒロシマサンショウウオを見に行く。
主産地の東広島市では保護されているので触れる事ができないので
保護指定されていない地域で探索する。
が、卵半対を見つけたのみで成体がいない。
諦めてアキサンショウウオの生息地まで移動して観察する。
が、こちらも成体がいない。もっともアキには遅い時期なので仕方ない。
ヒロシマとアキはそっくりだがヒロシマは産卵期がアキに比べ遅い。

それと車が段差でスタックした。脱出できずにJAFを呼ぶはめに...

4月 栃木

 
 ピッコロ氏に栃木を案内する。

私の既知の車横づけシリーズをめぐる。
雪の影響で毎回状況が違うが、とりあえずトウホク、クロ、トウキョウと見ることができた。
流石に4月だとトウキョウの成体はでないだろー?と思っていたが1匹だけ♂がいてくれた。
ピッコロ氏が見つけたかったようだが、私が出しちゃった。すまんね。
 
 確認できたトウホク達。♂のみで産卵は終わってる。
 
 既知のクロ繁殖地に向かう途中で見つけた新規のクロの繁殖場。
この場所毎年は水なかった気もする。
結構急な崖を降りるので私は上から見学w
肉体派のピッコロ氏はササーっと降りていく。
 
 見つかったクロサンショウウオ
最盛期は過ぎているのでいても♂だけかなぁ~と思ってたけど
産卵後の♀も水中で見つかった。
とにかく熱量の高い人物と観察行くと楽しいね。

   
 最後に寄った栃木県産トウキョウサンショウウオの繁殖場。
卵嚢はむき出しで半分出てるのがいかにもトウキョウらしい産み方だ。
(イワキサンショウウオも同様)

4月 新潟

 
 新潟に就職したT森君のところへ次男マサオを連れて遊びに行く。

まずはクロサンショウウオの繁殖場所へ。
次男はひたすら水昆を探してる。
そして流石は越後の餅、すんごい量のクロサン卵がそこかしこに見られる。
日中ではあるが卵周辺に群がる個体も見える。
息継ぎに水面に浮かんでくる姿が愛らしいね。

 
 クロサンショウウオ♂

産卵は基本的に水深の深い大き目の溜池で、中心部に産卵するので
捕獲は難しい。溜池の端にあった小さな水溜まりにも卵嚢が2つぐらいあったので
♂が隠れてるかもなとガサったらやっぱいた。

 
 トウホクサンショウウオ

バンエツサンショウウオとする論文もある。
車道沿いの側溝の溜りに産卵してる。山からの湧水が流れ込むのが条件だ。
 
 卵とトウホク♂
 
 よい色~
 
 前肢の発達した大型♂
 
 T森くんと次男マサオ
T森くんはヤゴや水昆も好きなので次男と中が良い。
私をすっ飛ばして連絡を取り合う。

 
 トウホクサンショウウオの流水産卵環境
 
 
 流水環境で産卵する個体達
止水タイプと比べても特に違いは分からない。
 
 流水の枝に産みつけてある卵
 
 越冬幼生も見つかる

 
 場所を移動してクロサンショウウオを捕獲しているT森
私有地なので地主に許可を貰ってから調査させてもらう。
 
 
 捕獲されたクロサンショウウオ

この場所の個体群は小さく細い個体ばかりだ。
 
 周辺の溜りにも無数の卵
 
  水昆をガサる次男マサオ

イモリとクロサンしか入らないって、それがメインだっつーの。

4月 愛媛

 ナンヨサンショウウオを下見に行く。
その後にイシヅチなどを見る予定で出かけた。

ナンヨは惨敗。まぁ下見のつもりで1日しか予定してなかったので
仕方ない。
イシヅチ、イヨシマなどは多数見つかる。

   
 イシヅチサンショウウオと卵嚢

ナンヨが見つからず、士気が低いのであまり画像を撮ってなかった笑


6月 岐阜

 
 爬虫類両生類雑誌「caudata」にアメリカのサンショウウオ記事を寄稿して
頂いたhiko君が日本のサンショウウオを見た事がないというので
案内してあげたかった。彼が帰国するタイミングが6月で関東近郊では
見れるサンショウウオがいない...
そこで岐阜の高木先生にお願いしてホムラ、マホロバの調査に参加させて頂いた。
 
 見つかったホムラサンショウウオ

 
 マホロバ探索

hiko君が中々見つけられず、高木先生が熱心に見つけ方を指導している図
その後、hiko君も見つける事ができた。良かったね。
高木先生ありがとうございます。
 
 見つかったマホロバ。斑紋の薄さがいかにも岐阜産らしい。

11月 伊豆

 
 私は東京住まいだが、ハコネは西に行くことが多く近隣だと栃木、長野、奥多摩が多い。
伊豆にもそう遠くはないが、箱根が基準産地で保護指定なので
今まで探したことがない。
ちょっと伊豆半島の個体群も見てみたいなぁと思い立ち観察に出かける。
 
 マダラ班の個体
 
 ストライプ状の個体
 関東の個体群だとマダラ班もストライプも混在するけど
この場所は9割がマダラ班だ。というか50匹ほど確認してストライプは
この個体1匹のみだ。成体は出てこなかったけど面白いねぇ。
暫く通おうと思う。 

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